セッション情報
パブリックアフェアーズは、「企業による、政府やNPO・NGO、世論などの公共・非営利セクターとの戦略的関係構築」である。企業の市場戦略(3C=Customer, Competier, Companyなど)と対をなす非市場戦略(PEST=Politics, Economy, Society, Technologyなど)の実践活動ということもできる。このような活動が必要な理由は、近年、ビジネスと公共との距離がこれまでになく縮まっているからだ。SDGsやESGの興隆に現れるように、世の中の公共課題に対する意識がどんどん高まり、企業・ビジネス側も無関心ではいられない。政治・行政としても、技術・ビジネス・社会の変化が加速する中、最先端の現場に向き合う企業との連携を積極的に求めている。しかしながら、パブリックアフェアーズや非市場戦略論は、これまで企業経営論の中で、どちらかというと「マイナー科目」視されてきたため、実践的な知見や体系だった議論が蓄積されてきた訳ではない。本セッションでは、現代におけるパブリックアフェアーズの重要性について議論するとともに、パブリックアフェアーズを組織論的にもオペレーション論的にも企業経営の中に位置付けていくための道筋を探る。
登壇者情報
入山 章栄
早稲田大学大学院 早稲田大学ビジネススクール 教授
慶應義塾大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科修士課程修了。三菱総合研究所で、主に自動車メー カー・国内外政府機関 への調査・コンサルティング業務に従事した後、2008 年 に米ピッツバーグ大学 経営大学院より Ph.D.(博士号)を取得。 同年より米ニューヨーク州立大学バッファロー校ビジネスス クール助教授。 2013 年より早稲田大学大学院 早稲田大学ビジネススクール准教授。 2019 年より現職。 「Strategic Management Journal」など国際的な主要経営学術誌に論文を多数発表。著書に「世界標準 の経営理論」(ダイヤモンド社)、他。 テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」のレギュラーコ メンテーターを務めるなど、メディアでも活発な情報発信を行っている。
國分 俊史
多摩大学大学院 教授 ルール形成戦略研究所所長
多摩大学大学院 教授 ルール形成戦略研究所所長、パシフィックフォーラム シニアフェロー、EY アドバイザリー・アンド・コンサルティング Strategic Impact Unit リードパートナー、「自由民主党 新国際秩序創造戦略本部」アドバイザー(2020年9月30日まで)。 早稲田大学大学院公共経営研究科修了。IT企業の経営企画、シンクタンク、米国系戦略ファームA.T. カーニー プリンシパル、米国系会計ファーム ヴァイスプレジデントパートナー(2018年11月末にて退任)を歴任。
小泉 文明
株式会社メルカリ 取締役会長
早稲田大学商学部卒業後、大和証券SMBCにてミクシィやDeNAなどのネット企業のIPOを担当。2006年よりミクシィにジョインし、取締役執行役員CFOとしてコーポレート部門全体を統轄する。 2012年に退任後はいくつかのスタートアップを支援し、2013年12月株式会社メルカリに参画。 2014年3月取締役就任、2017年4月取締役社長兼COO就任、2019年9月取締役President (会長)就任。2019年8月より株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シー代表取締役社長兼任。
藤井 宏一郎
マカイラ株式会社 代表取締役
多摩大学ルール形成戦略研究所客員教授。テクノロジー産業や非営利セクターを中心とした公共戦略コミュニケーションの専門家として、地域内コミュニケーションから国際関係まで広くカバーする。 科学技術庁・文化庁・文部科学省にて国際政策を中心に従事した後、PR 会社フライシュマン・ヒラード・ジャパン株式会社にて企業や非営利団体のための政策提言・広報活動を行った。その後、Google 株式会社執行役員兼公共政策部長として同社の日本国内におけるインターネットをめぐる公共政策の提言・支援活動や東日本大震災の復興支援活動などを率いた。東京大学法学部卒、ノースウェスタン大学ケロッグ経営学院卒 MBA(マーケティング及び公共非営利組織運営専攻)。PHP総研コンサルティングフェロー。国際協力団体・一般社団法人ボランティアプラットフォーム顧問。NPO法人情報通信政策フォーラム(ICPF)理事。日本 PR 協会認定 PR プランナー。
参加申込
全セッション参加費 無料